前回は太陽黒点についてその性質を記事にした。
太陽の勉強をしている理由は地球の磁気(地磁気)を乱す原因だからだ。
私の今の仕事では地磁気現象を読み取ることが必要なので、今回はそれを測定する機器について紹介したいと思う。
地磁気の強さ(磁束密度)の単位はT(テスラー)を用いる。
その強さを測る方法は複数あるが、地磁気を測定するにあたって「核磁気共鳴法」が一般的らしい。
参考:地磁気の強さ=約47,000nT
そして、核磁気共鳴法で地磁気を測る測器としてよく知られているのは「プロトン磁力計」である。
- プロトン磁力計
- 外部磁場Fと直行するように水(またはケロシン)を入れた励磁コイルを置き、水の中のプロトンを磁化させる。
- 磁化が平行に達した後、励磁電流を切ると、プロトンの磁気モーメントは外部磁場の周りをラーモア歳差運動する。
- ラーモア角周波数fは次のような関係であることが分かっている。 2πf=γpF γp=2.67513e4 gauss^-1・sec^-1(プロトンの磁気回転比)
- 回転するプロトンの信号を増幅して、周波数fを求めれば外部磁場の強さFが決まる。
ただし、この方法で測れるFは強さしか求められないため、向きを求めるためには別の機器を使う必要がある。それについては、別の機会に触れようと思う。
どうやらプロトン磁力計は地下鉱脈探査や地雷探査といった用途に使われているらしい。必ずしも地球科学分野だけではないみたいだ。
- 参考資料
地磁気観測所技術報告第26巻特別号
http://www2.kanazawa-it.ac.jp/higuael/nmr_basic.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/プロトン磁力計